自家焙煎をして24年になります。初めは生豆とガスの火力の使い方で格闘でした。 私の焙煎の師である東京のバッハ珈琲の田口さんは、旨いコーヒーの煎り方を教えて下さいましたが、私の理解力が乏しく、数年間は実は大変苦労しました。 豆に熱を与えると段々と色が付きます。その内、生くささが取れ、いい香りを放ちます。 最初はそれが豆の合図と思い、そこで煎り止めにして早速カップテスト([試飲)をしておりました。 でも、体がそして胃に変調をきたしはじめたのです。 お客様は香りのいいコーヒーを望まれて、また私もそう信じていました。 しばらくすると、それが大きな間違いだということに気がつきました。 他の焙煎なさる方は、香りを嗅いでから直ぐに、コーヒーを吐き出されるのです。 私は体調が弱いこともあり、すべて飲み込んで、体にいいかどうか様子を見ていたのです。芯がうまく煎れてないと、コーヒーが胃に変調を出すのです。 そのことに気が付いてからは、それがコーヒーの合図になりました。今から思えば大変な種類と大変な量のコーヒーを飲み、自分の体で実験をしていたのです。それからというもの、体の変化に合せて焙煎の煎り止めが出来るようになりました。 表面の香りだけに囚われていると、全然旨くありません。 芯が炒り出されてくると、豆が大きく膨らみます。それが格別の珈琲の出来上がりの合図です。 その珈琲を抽出するとコーヒー液が冷めても(〜1時間)、珈琲を点てた直後よりも甘味が増えて、とても美味しい珈琲になります。 有難いことで、実に嬉しいです。 珈琲をブラックで飲んで甘味を感じるのは、焙煎し始めの私からすれば、大進歩です!これも師やダボスの本部さんのお蔭とその当時、心で感謝しました。 それからは、日々深煎りのコーヒーへの挑戦の連続です。勿論試飲は飲みこみます(現在も続けています)。 豆が膨らみ、黒く光るほどツヤを出します。それほど念入りに煎りを行っているのです。 今では、師の豆よりも深煎りで、それが当店のオリジナルのコーヒー豆になりました。そしてその深煎りを深く愛していただける卸先もできました。 豆が膨らみ、黒く光るほどツヤを出す、それが豆の合図であり、そしておいしく味わえるコーヒー豆です。 今では、体が教えてくれた煎り止めですので、表面が黒くても気にしません(申しておきますが胃腸薬は現在までほとんど飲みません♪)。 皆さん毎日おいしいコーヒーを飲んでいますか? |